書き出すと見えてくる『移住についての3つの問い』チェックシート

前回の記事で、移住を考えはじめたら最初に自分に聞いておきたい3つの問い、WHY(なぜ移住したいのか)・WHAT(移住で何を得たいのか)・HOW(どう実現するか)についてお伝えしました。「なるほど」と思っても、実際に自分の頭の中だけで3つの問いに向き合うのは、意外と難しいものです。読みながら「自分の場合はどうだろう」と考えたところで、そのまま日常に戻ってしまい、気づけば忘れてしまう、ということも起こりがちです。今回は、その3つの問いを実際に書き出してみるためのチェックシートを作りましたので、ご紹介します。

目次

こんな方におすすめです

このチェックシートは、まだ移住を本気で決めているわけではない、「なんとなく気になっている」段階の方にこそ使ってみてほしいと思っています。本気度が高くないうちは、情報を集めるより先に、自分の気持ちを言葉にしておくことのほうが、あとになって役に立ちます。逆に、すでにかなり本気で検討されている方にとっても、あらためて自分のWHY・WHATを見つめ直すきっかけとして使っていただけると思います。

また、書き終えたものは半年後や1年後にもう一度開いてみるのもおすすめです。いざ移住をするとなると様々な迷いや不安も生まれてきます。そんなときに、自身の気持ちを強く持つ支えになります。また、自分の気持ちがどう変化していったか、あるいは変わらずにブレないものは何かを確認するための大切な記録にもなります。「自分史」の一部として大切にしてください。

ダウンロードはこちら

チェックシートはPDFファイルにしてありますので、こちらからダウンロードしてお使いください。印刷して手書きで書き込むのはもちろん、PDFに直接入力しても構いません。

チェックシートの書き方

では、具体的にどうやって書けば良いのか? チェックシートの書き方について、私の事例と合わせてご紹介します。

チェックシートは、WHY・WHAT・HOWそれぞれについて、3つずつ、合計9つの質問で構成しています。チェックする項目が多すぎると「ちゃんと答えなければ」という気負いが生まれてしまうため、気軽に、5分もあれば一通り目を通せるくらいのボリュームに絞っています。

ですから、気負わず、感じたことを感じたままに書き出していきます。書いているうちに、「そういえばこういうこともあるな」とどんどん考えが広がります。そして、いったんできあがったら、1週間くらい寝せてからもう一度眺めてみてください。自分のことを俯瞰的にながめることができるので、より本質的なことへと近づきます。「これでOK」と思えたらそこで終了です。

WHY 『なぜ移住したいのか』

今の自分の気持ちを掘り下げる質問です。移住することを前提にせず、フラットな気持ちで考えてみてください。

Q1. そもそも移住が気になりはじめたきっかけは?
Q2. 移住した先にはどんな世界があなたを待っていますか?
Q3. もし移住しなかったとしたら、今の生活をどう感じるでしょうか?

私の場合はこのようになりました。

Q1. そもそも移住が気になりはじめたきっかけは?
・首都圏は便利すぎる。不便を知らないことは子どもの成長にとって良い環境なのだろうか?
・先が見えないので、住宅ローンなどの負債を少しでも圧縮しておきたい
・都市型直下型地震が来たらどうしようか

Q2. 移住した先にはどんな世界があなたを待っていますか?
・都市型の過ごしやすい環境を捨てて、多少不自由だけど人間らしい暮らしがある
・豊かな食環境がある(食料自給率、自然食品の多さ)
・大自然に囲まれた生活は心身ともに健康で、人間性も豊かになるかもしれない

Q3. もし移住しなかったとしたら、今の生活をどう感じるでしょうか?
・今の家は住みやすいし、サラリーマンとして安定的な生活はできそうだ
・好きなアーティストのコンサートには困らない
・満員電車や道路渋滞は息苦しいけど、しょうがないか

WHAT 『移住で何を得たいのか』

目的(WHY)が実現されている状態を言語化しておきます。想像でもいいので書き出しておくと、移住の準備をしている間にふりかかえる困難を乗り超えるモチベーションの源泉になることでしょう。

Q1. 今の生活の中の何を変えたいですか?
Q2. 逆に、変えたくないものや受け入れられないものは何ですか?
Q3. 5年後にどんな暮らしができていたら「良かった」と思えますか?

私の場合はこのようになりました。

Q1. 今の生活の中の何を変えたいですか?
・長期借入の住宅ローンをどうにかしたい。(せめて10年以内に完済したい)
・広いスペースの家で生活したい
・なんだか最近息苦しく感じる、この閉塞感をどうにかしたい

Q2. 逆に、変えたくないものや受け入れられないものは何ですか?
・バスが1日数便しかないとか、交通機関がないところでは生活できない
・スーパーやコンビニ、ネット販売や宅配便が利用できる
・大雨や大雪といった自然現象を気にしながら生活をしたくない

Q3. 5年後にどんな暮らしができていたら「良かった」と思えますか?
・ご近所様と打ち解けあえて、楽しく日常を送れている
・雄大な大地をバイクや車で旅をしている、夫婦でゆったりと北海道一周
・小さくてもいいので自分の事業を立ち上げている

HOW 『どうやって実現するのか』

これは移住に関する情報を集めて、検討に着手しないとわからないことばかりかもしれません。今の自分の知識・スキル・マインドの状態を把握して、これから何をすればよいのかが見えてきます。

Q1. 今、知りたいことは何ですか? (仕事・住まい・費用など)
Q2. 相談できそうな人や団体はありますか?
Q3. 今から始められる小さな一歩があるとしたら、何ですか?

私の場合はこのようになりました。

Q1. 今、知りたいことは何ですか? (仕事・住まい・費用など)
・どこに住めば良いのだろうか?
・どうやって住居をみつけようか?
・どうやって今の家を売却すればいいのだろうか
・社内の異動で札幌勤務ができそうだが、本当にできるのか
・引っ越しにはどのくらいの費用を用意すれば良いのか
・子どもの転校はどうやってやるのか
※実際はこのくらいです。移住作業を進めてより具体化すればするほど増えてきます

Q2. 相談できそうな人や団体はありますか?
・勤務先や学生時代の知人で北海道や札幌出身の人
・今の家を買ったときの営業さん(売却と札幌支店の方を紹介してくれました)
・札幌の住居販売に強い不動産企業(インターネットにも広告を出している)
・都内で定期的に開催されている札幌移住フェア
・北海道や札幌市の公式WEBサイト
・「札幌移住支援」で検索するとでてくるサポートサイト

Q3. 今から始められる小さな一歩があるとしたら、何ですか?
・購入でお世話になった営業さんにメールを出してみる
・都内で定期的に開催されている札幌移住フェアに行ってみる
・北海道や札幌市の公式WEBサイトを閲覧して、情報を整理する
・「札幌移住支援」サポートサイトの管理人さんへのコンタクト
・北海道や札幌出身の知人と食事や呑みの約束をする

なぜ「書き出す」ことが大事なのか

WHY・WHATは、頭の中で考えているだけだと、いつまでも曖昧なままになりがちです。私自身、移住を決めるまでの約1年間、同じようなことを何度も考えては忘れ、また考える、ということを繰り返していました。忙しい毎日の中では、せっかく浮かんだ気持ちも、次の瞬間には別の用事に押し流されてしまいます。あるとき試しに紙に書き出してみたら、頭の中だけで考えていたときよりも、自分が何を大事にしたいのかがはっきり見えてきた経験があります。書き出すという行為には、考えを一度自分の外に出して、客観的に眺め直せるという効果があるのだと思います。書いた文字を読み返すことで、「自分は本当はこう思っていたのか」と、意外な発見があることも少なくありません。

使い方のヒント

このチェックシートは、誰かに見せるためのものではありません。うまく答えられない質問があってもかまいませんし、時間を置いて答えが変わってもかまいません。むしろ、答えが変わっていくこと自体が、自分の気持ちの変化を知る記録になります。一度で完璧に埋めようとせず、思いついたときに書き足していくくらいの気軽さで使ってみてください。

夫婦やパートナーがいる場合は、それぞれ別々に書いてみて、あとで見せ合うのもおすすめです。同じ移住を考えていても、WHYやWHATが微妙に違っていることに気づけたりします。我が家の場合も、私は自然の近さやゆったりした暮らしを求めていた一方、家族はまた違う理由を持っていました。お互いの違いを早いうちに知っておけたことは、その後の話し合いにも役立ったと感じています。

まとめ

WHY・WHATを書き出して、今の自分の気持ちが少し整理できたら、次はいよいよHOWの出番です。焦る必要はまったくありませんが、気持ちの整理ができた分だけ、情報を集めるときの迷いも減っているはずです。次回は、もう少し本気度が高まってきた方に向けて、実際に移住に向けて動き出すときの具体的な一歩の踏み出し方についてお伝えします。

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