今の時代にマッチしたキャリアデザイン 豊かな暮らしにつなげるキャリアのつくり方

「転職」「資格取得」「働き方の見直し」——キャリアの選択肢が増えた今、何を軸に決めればいいのか迷う人は多いのではないでしょうか。本記事では、キャリアコンサルティングの専門機関が示す「キャリアデザイン」の定義と、変化の時代にこそ役立つ考え方をやさしく解説します。読み終える頃には、資格選びやキャリア相談を始める前に押さえておきたい「自分なりの軸」の見つけ方が見えてくるはずです。

目次

キャリアデザインとは何か——2つの専門機関の視点から

GCDF-Japan:キャリア支援の専門職としての位置づけ

GCDF(Global Career Development Facilitator)は、特定非営利活動法人キャリアカウンセリング協会が認定する資格で、キャリア支援に従事する専門職の育成を目的としています。取得にあたっては、倫理的・法的問題、多様な人々への理解、テクノロジーの活用、労働市場情報とリソースという4分野を学ぶ必要があるとされており、キャリアデザインを「専門的な支援を受けながら、個人が主体的に築いていくもの」として捉える土台になっています(GCDF-Japan公式サイト)。
私はGCDF-Japanのキャリアカウンセラー資格を取得しています。

CDA(日本キャリア開発協会):「その人らしい生き方・働き方」を支援する視点

一方、日本キャリア開発協会(JCDA)が認定するCDA(Career Development Adviser)は、「誰もが『ありたい自分』を持つという肯定的な人間観をベースに、相談者自らの気づきによって自己概念の成長を促し、『その人らしい生き方・働き方』を支援すること」を特色としています(日本キャリア開発協会公式サイト)。つまりキャリアデザインとは、他人の物差しに合わせることではなく、自分自身の中にある「ありたい姿」に気づき、それに向かって歩みを重ねていくプロセスだと言えます。

キャリアデザインで大切な2つの視点

未来に向けて複数の選択肢を持つこと

一昔前は「自身が本当にやりたいことを決めてモチベーション高く歩んでいくこと」がキャリアをデザインする上で大切なことと言われていました。今の時代、このアプローチは逆効果になることが少なくありません。
なぜなら、一つの道に絞り込みすぎると、環境が変化したときに身動きが取れなくなるからです。資格、スキル、人とのつながりなど、複数の選択肢を並行して育てておくことが、変化の激しい時代の「正しい」キャリアデザインとなっています。

自分の価値観・譲れないものを知り、大事にすること

ただし、いたずらに選択肢を広げるだけでは軸を失いかねません。これをキャリアドリフトといいます。キャリアの迷路に迷い込まないためには、何のために働くのか、どんな暮らしを大切にしたいのか——自分にとって譲れない価値観を言語化しておくことが、数ある選択肢の中から自分に合うものを選び取る基準になります。

周囲に流されない「マイペース」を保つ

SNSやニュースで他人のキャリアが可視化されやすい時代だからこそ、周りと比較して焦る場面も増えています。しかしキャリアデザインの本質は、他人と比べることではなく、自分のペースで自分の物語を積み上げていくことにあります。

キャリアは計画通りに進まない——クランボルツの「計画的偶発性理論」

スタンフォード大学クランボルツ教授が提唱した理論の要点

心理学者ジョン・D・クランボルツ教授(スタンフォード大学)が提唱した「計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」は、個人のキャリアの大部分が予測できない偶然の出来事によって形成されるという考え方に基づいています(計画的偶発性理論 – Wikipedia)。ここで重要なのは、ただ偶然を待つのではなく、偶然が起きやすい行動を意図的に取り、実際に起きた出来事を戦略的に活かしていく姿勢だとされています。

偶然を味方にする5つの行動特性

同理論では、計画的偶発性が起こりやすい人物の特徴として、次の5つの行動特性が挙げられています。

  • 好奇心(Curiosity):新しい学びの機会を探し続ける
  • 持続性(Persistence):うまくいかなくても努力を続ける
  • 柔軟性(Flexibility):状況や考え方を柔軟に変える
  • 楽観性(Optimism):新しい機会をポジティブに捉える
  • 冒険心(Risk Taking):結果が不確実でも行動を起こす

変化の激しい時代だからこそ有効な考え方

ロンドン・ビジネス・スクール教授のリンダ・グラットンとアンドリュー・スコットは、著書『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社、2016年)の中で、「教育→仕事→引退」という従来の3ステージの人生モデルが崩れ、誰もが複数のキャリアやステージを渡り歩く「マルチステージの人生」へ移行していくと指摘しています(LIFE SHIFT特設サイト)。

終身雇用が前提ではなくなり、技術の進歩によって求められるスキルも数年単位で変わっていく人生100年時代、計画通りに進むキャリアの方がむしろ少数派かもしれません。だからこそ「計画は立てつつも、偶然の出来事を柔軟に取り込んでいく」という考え方は、これからのキャリアデザインに欠かせない視点になっています。

まとめ——マイペースに、しかし偶然にも開かれた姿勢で

キャリアデザインとは、専門機関の知見を借りながら、①未来に向けて複数の選択肢を持つこと、②自分の価値観を大切にすること、③偶然の出来事にも柔軟に開かれていること、この3つのバランスを取っていくプロセスです。リスクを恐れて身構えすぎず、好奇心を大事にしながらマイペースで、そして偶然をも味方につける楽観性を持って、自分らしい暮らしにつながるキャリアを育てていきましょう。

次回は「世の中にはどんな資格があるのか」をテーマに、暮らしを豊かにする視点から資格の全体像を整理していきます。キャリアや資格選びについて一人で悩まず相談したいという方は、Rapidstreamsのキャリアコンサルティング(パーソナルカウンセリング)もぜひご活用ください。

参考文献

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